住宅業界でも「自然素材」のキーワードが目立つようになってきました。
注文住宅を建てようとする人の中にも、自然素材を使って家を建てたいというニーズが増えています。 自然素材の家とはどのような住まいのことを言うのか、また注目される理由はどんなところにあるのでしょうか。 昭和の時代日本の家造りは急ピッチで合理化・低コスト化が進みましたが、その中でさまざまな弊害も生まれました。 なかでも深刻なのがシックハウス症候群、化学物質過敏症でしょう。 これらは化学接着剤を使ったビニールクロスや塩化ビニールシート、合板フローリングなど化学物質を含んだ建材が原因になっていると言われます。 木や土といった自然素材で造られた昔の日本住宅では、シックハウス症候群や化学物質過敏症の心配はありませんでした。 こういった症状の原因が住宅に使われる建材にあると明らかになると、昔のような自然素材を使った家、化学物質を使わない家の価値が見直されるようになったのです。 人の住む住宅は、住む人の健康をおびやかすものであってはならないからです。 シックハウス症候群とは建材から発生する揮発性化学物質が原因で、頭痛や鼻炎、皮膚炎や喘息、アトピーなどのアレルギー諸症状を引き起こす病気のことです。 もともとは欧米で1980年代に問題となったシックビルディング症候群からきており、シックハウス症候群も同様の症状が起こります。 有害物質を含む建材を使わない自然素材の住まいは、シックハウス症候群や化学物質過敏症への対策としてだけでなく、エコロジーの面でも大きなメリットがあります。 多くの自然素材は太陽エネルギーだけで永遠に生産できるので、製造時も廃棄時も化学物質で環境を汚染する心配がありません。 自然素材の家なら製造エネルギーが少なく済むので、環境に負荷をかけない地球にやさしい住まいといえるでしょう。